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ストックホルムの密使

 佐々木譲の「エトロフ発緊急電」を読んだ時、なんだかんだ言ってスパイ物とか戦争物とかは、理屈抜きでのめり込んでしまうもんだと思った記憶がある。この手の話の場合、そこに戦争の悲惨さとかを重ね合わせるおかしな方向に行ってしまうので、出来るだけ頭をまっさらにして読まなくちゃいけない。この小説は非常に出来た話で掛け値無しに非常に面白かった。で、当然のように「ベルリン飛行指令」に手を付ける訳だが、これも「エトロフ~」に劣らないくらい一気に読み進んだ。
 このシリーズは三部作なのだが、最後の一つを手に取る前に色々とばたばたしていたのだろう、すっかり読むことを忘れていた。この間の日曜にふと思い出してようやく手に取ったのが三部作の最後である「ストックホルムの密使」。
 はい。今のめり込んでいます。これで週末の夜行列車は退屈しないな。
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漱石の東京を徘徊しますよ

 姉妹ブログに漱石に絡んだ話を書いたら、作品を読み返してみたくなった。
 高校時代に全て読んでしまったのだが、古本屋にはやらず、度重なる引っ越しを乗り越えて東京までやってきた。今、読み返してみると、高校時代と違って出て来る地理も理解できるので「なるほどこの辺りが舞台ですか」と場所を頭で巡らせながら読むことが出来る。

 そんな訳で次の休みは小石川から本郷、千駄木辺りまでを徘徊決定。

満州朝鮮復刻時刻表

 夕飯は池袋駅北側の中華料理屋。この界隈、風俗街を横にして非常に妖しい地域だが、中国人がコミュニティを形成している街として知る人ぞ知る地域である。であるから、ここで営業している店も中国本土に近い味で出てくるので、私としては非常に有難い。葱と牛肉の炒め物の定食。普通の中華料理屋では出てこないが、中国ではかなりメジャーな料理。蘭州局の列車の食堂車では名物として名高い料理で、数ある中国の列車食堂でも評判の高い料理だ。この店の炒め物もいけていた。何より安いし。池袋とか大塚とか、本当に中国人が中華鍋をふるってそのままの味を出してくる店が多いので嬉しい。勿論中華街あたりの観光客料金では無い。

 本屋で「満州朝鮮復刻時刻表 附台湾・樺太復刻時刻表」を購入。戦前の列車時刻表の復刻版。以前古本屋で戦前の時刻表を見つけたのだが、ウン万円もするので手が出なかった。この度、既刊の出ている日本鉄道旅行地図の関連としてこの4冊まとめて3,000円弱で出るという信じられないことが起きたので、迷わず購入。中身を見てびっくり。復刻の名の通り、昔の時刻表そのものがパッケージされており、現代日本語は、パッケージの箱と、中に入っていた薄い解説だけ。あとは装丁から中身まで当時のものそのもの。読みいってしまいましたよ。

時刻そのものも見ていて楽しいのだが、より興味を引いたのは運賃表と広告。
掲載運賃の一例をあげてみよう。金額は「満州支那汽車時刻表」昭和15年8月号掲載の三等運賃である(平壌を除く)。
●東京起点
大阪:5円95銭
下関:9円55銭
釜山:13円10銭
京城:20円10銭
平壌:24円16銭 ※「朝鮮列車時刻表」昭和13年2月号より
奉天:32円13銭
新京:36円86銭
哈爾濱:41円22銭

●奉天起点
天津:11元81分
北平正陽門:13元91分

上記他に通行税が必要となるが、800km以上で50銭/三等

 日本起点の場合は日本円、朝鮮起点の場合は日本円と等価の朝鮮円だが、奉天起点の場合は満州元。満州元はこの頃は日本円と等価なので、実質的には奉天までの料金と奉天からの料金を足した金額が日本円での販売額となるようだ。
 ちなみに北平正陽門は現在の北京前門にあった駅。当時の北京のメインステーションで、最近まで「老北京站商場」というちょっとしたショッピングセンターとして残っていた。自分も何度か買い物をしたことがあるが、昨年北京をフラフラした時は博物館に生まれ変わるとかで閉鎖していた。

ちなみにこの時代、釜山桟橋~北京には直通列車が走っている(急行興亜号)
※北平とは中華民国時代の北京の呼び名。

当時の1円が現代の金額に換算すると正確にどれくらいかはわからないが、

大連定期市内観光バス:1円80銭
大連より旅順戦跡観光バス:3円50銭
満鉄各駅駅弁:50銭
新京駅のサンドウィッチ:40銭
茶:7銭
鉄道省 広島の宮島航路運賃:10銭

あたりから類推すると概ね1円=1,200円くらいだろうか。

 広告も面白い。昔の広告は言葉づかいが今の視点から見ると独特で楽しい。
「最も洗練された女中が十分御奉仕申し上げます」・・哈爾濱の「関東軍・満鉄鉄道総局御指定旅館」モストワヤ街の名古屋ホテル。奉仕といっても変な奉仕じゃないです。昔の意味合いですから。
「各会社製品のカメラ氾濫時代に樫村が推奨するカメラ中のカメラ」・・大連市浪速町の樫村洋行。
「河村の製品は新型で優美・堅牢・お値段はうんと勉強して居ります」・・奉天の銀座・春日町の河村製靴店

夜も更けてきた。眠いので今日はこれくらいで終わりにするが、しばらく楽しめそう。

 軽くなった本

 新書ブームです。
 つい10年程前は、岩波、中公、講談社で殆ど占められていた本屋の棚が、ありとあらゆる出版社の新書で色とりどりです。新書はある特定のテーマを掘り下げて世の中に提起する類の書物で、元々は大学の講義で収まっていた知識を大衆に開放する事を目的として刊行されたもののようです。私は講談社新書の一番後ろにある「刊行にあたって」という文を読むのが好きでして、これを読むと先人の意気込みを感じる事が出来、嬉しくなります。

 「教養は万人が身をもって養い創造すべきものであって、一部の専門家の占有物として、ただ一方的に人々の手もとに配布され伝達されうるものではありません。(後略)」
 
 前述のように本屋では新書が幅を利かせております。毎月あらゆるテーマであらゆる出版社から発刊され、ますます隆盛です。しかし、出てきた書物を見るとこれらの本が軽く感じられてしまうのです。理由はいくつかあります。

1)表題がパターン化している
 「どうして●●なのか」「●●なのは何故か」
 この手の疑問系表題が最近非常に多い。「さおだけ屋がつぶれないのは何故か」「女は男の何処を見ているか」
2)しかもこれら表題の内容がどうでもいいことである事が多い
3)内容が著者の日記風なものが多い

 教養の伝達が新書の目的とあれば、さおだけ屋で経済学を語り、何処を見ているかわからない女性を持ち出して心理学を語るのも一つの手段でしょう。しかし、裏をかえすとこのような身近な話題を表題に持ってくることが、現今とりあえず売れる本を作る最短の手段であり、またこのような内容を持ってこざるを得ない所に、読み手の質(現代人の質と置き換えてもよい)に問題がある事をあらわしているように思えるのです。確かにこれらの疑問形表題は一見とっつきやすそうですが、よく考えてみたら「考える必要」を最初から放棄させるような表題ではありませんか。最近出た「ピアノは何故黒いのか」という本を見て泣きたくなりました。黒でも白でも結構。だからどうしだんでしょう。ピアノの歴史とか著者がピアノを通じて知り合った人々とかを書いているらしいいんですけれど単にそれだけです。読んだ直後に内容を忘れていそうな気がします。暇つぶしに読むためだけの内容が多い。
 
 逆に新書の乱発行=トレンドで良くなったと思われる点は、ポリシーの伝達や評論が身近になった事です。本来ならハードカバーで出るような内容のものが新書で出ることにより、その主張を身近に得られる事が可能になりました。「美しい国へ」とか「国家の品格」など、中身の質はどうであれ主義主張を新書を使って世の中に提起しやすくなったのは、良い傾向だと思います。その分読者が書物に対する判断力、批評力を求められている訳ですけれども。

 まあ今時かつての岩波や講談社の表題が受けるとは思いませんが、この事は考える事を放棄した世の中を如実にあらわしているように思えてなりません。
 

ふと本棚を見てみると

 ふと思い立って本棚を見てみると、思いのほか岩波文庫が多い事に気づきました。インターネットをご飯の糧とするようになってからは、もっぱら新書(特にIT系)を読むようになってしまいましたが、学生時代は文庫本を読みふけってました。読むのはもっぱら岩波か筑摩、そして講談社学術文庫です。何をいきがっていたかは知りませんが、他の文庫本はもっぱら通俗的なものと考え、せいぜい呼んでも新潮か角川まで。何て嫌味な学生でしょうか。こんな訳ですから、本棚は岩波で埋まっています。
 岩波文庫は背表紙が赤、青、緑、白、黄とありますが、私はもっぱら赤か青。つまり、外国文学か史書関係を好みとしておりました。緑は明治以降の近代日本文学ですが、こちらは新潮や角川の方が揃っているので、殆どありません。白は政治・経済系ですが、この手の本は理屈が過ぎるので苦手でした。唯一あるのは「共産党宣言」のみ。まあこれは主義主張に関わらず読んで損はありません。一般の方には最も縁遠いと思われるのは黄色でしょう。日本の古典ですね。古文が読める人なら楽しいのでしょうが、私は他社の現代語訳の方へ走りました。もちろん蔵書も少なく、書棚には2冊だけあり、一つは「助六所縁江戸桜」、もう一つは「仮名手本忠臣蔵」です。
 両方とも歌舞伎物ですね。実は私、歌舞伎が好きです。助六は歌舞伎十八番の一ですし、忠臣蔵も超メジャーな話(ちなみにあの忠臣蔵とはは若干内容が異なります)。
 歌舞伎と言えば、ゴ-ルデンウィーク中にNHKで「勧進帳」パリ公演がやっていました。言わずとしれた市川家のおはこです。実は最初から最後まで見るのは初めてだったのですが、団十郎の弁慶と海老蔵の富樫、亀治郎の義経は、花道が無いなどの不具合はあったにせよ、さすがと思わせるものでした。

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プロフィール

Mr.Problem

Author:Mr.Problem
東京移住。
職業:雲のジュウザ
根本思想:世界人民大団結万歳(笑)
多少、あちこちに行ってましたが、。結婚してからはめっきり諸外国へ出ることが少なくなりました。せめて一年に一度くらいは海外には出たい。元パッカーの習性で旅行は旗持ちではなくほぼ個人旅行。基本的には今世界で起こっていることについて思うところや、今まで行った街の印象を徒然に書いていきます。
みなさんが世の中について考える何かの助けになれば。

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