「東京は坂の街」と以前書いた気がします。道玄坂とか九段坂とかの名前のついた坂が23区内に700以上あるそうで、それら一つ一つの巡ってみようと思っていた時期がありました。途中200くらいまでは歩き回ったのですが、なかなか継続する事は難しく、意識して巡ることが絶えてしまいました。
けれどこのようにある一定の数があるものを巡るのはそれなりに楽しく、例えば隅田川二十六橋とかをすべて渡ってみる、など、内容を変えて色々とチャレンジしてみてはいます。
そのチャレンジの一つが都バス。日本最大の公営交通企業体である東京都交通局が路線を張り巡らせており、目黒区を除く二十三区内に最低でも一本以上の系統が地域の足として走っています。目黒区にはついこないだの三月まで東京駅と東急大井町線等々力駅を結ぶ路線が走っていたのですが、路線改変で東急バスの運行となり同区からは撤退してしまいました。
都バスは二十三区を主に走っていますが、区外では唯一青梅地区を中心に路線を張り巡らしています。区部を離れて運行しているのには、多分に大人の事情がありそうですね。
都バスの最長系統は実はこの青梅地区からのびる路線で、JR青梅駅と西武柳沢駅を結びます。都バストリップを好む者としてはいつかこの系統に乗車してみたいと思っていたのですが、こないだの日曜、思い立って乗りに行きました。
けれどですね、西武柳沢駅というのが何処にあるのか知らず、調べてみたところ西武新宿線で田無の少し手前にあるとのこと。感覚としては高田馬場から15分くらいかしらと思っていたのですが、各駅停車で30分以上もかけて行く事になりました。
路線は梅70系統。青梅街道をひたすら走るバスで、青梅までは30km以上。途中、西東京、小平、東大和、武蔵村山、瑞穂などの市や町、米軍横田基地をかすめるなどして青梅まで。かつてはさらに東に路線が延びていて阿佐ヶ谷駅まで達していたそうです。
その筋では有名な路線からか地域の人だけでなく乗りにくる人がちょくちょくいるようで、我々夫婦以外でもただ乗りに来たような女性が一名いました。
で、感想ですが、13時半過ぎに乗車して青梅駅に到着したのが15時50分。2時間以上もバスに揺られました。定刻だと1時間40分程度で行くようですが、余裕で遅れました。一時間に1〜2本の運行ですがそれでも途中で乗り降りはありましたので、地域の足とはなっているようです。我々とて時間を気にして乗りにきている訳ではないので遅れても一向に問題はありませんが、待っている人も大したもの。路線が微妙に各地区の役所や病院、駅を経由して行くので区間利用が多いのでしょう。沿線には木に囲まれた大きな家があり、その庭には蔵などがあったりして、武蔵野の庄屋や大地主の由縁が見られてそれなりに退屈しませんでした。
単に揺られるだけですが、夏の日がな、クーラーの効いた車内で時間を潰しに行くのも悪くありません。
●都バス最長系統
梅70系統(西武柳沢駅〜青梅車庫)
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