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走れ趙行徳!いざ西夏の都へ~北京西→銀川 K177次列車

 銀川と聞いてピンと来る方は少ないかもしれないですが、興慶と聞けば、ああと思う方は多いのではないでしょうか。興慶は西夏の都、井上靖の名作「敦煌」で主人公趙行徳が先ず目指す都市です。

 趙行徳の時代は宋。都は東京開封府です。科挙の試験の為に上京してきた趙行徳が、ふとした事から摩訶不思議の文字である西夏文字に魅せられ、当時宋の西方に勢力を拡大してきた西夏に乗り込むところから、「敦煌」は盛り上がっていきます。
 敦煌は中国の超一級の観光地であり、シルクロードを目指す観光客(特に長期旅行者)は、大抵西安を経て敦煌を目指します。日本でも紹介される事も多く、ここで話すのは今更ながらといったところですが、この敦煌が日本人にとって興味深い観光地となった一つのきっかけは、この小説ではないでしょうか。
 しかし、どういう訳か興慶の末となる銀川が訪問先として紹介される事はまずありません。日本のみならず、中国に於いてでさえも銀川は地方の小都市扱いで、観光先として注目されている街でもありません。その理由の一つとして、西夏がモンゴルのチンギス=ハーンによって徹底的に打ちのめされ、以降衰退してしまい、今では遺跡と呼べるものが殆ど無いこと。そして、主要な中国の観光ルートから外れており、この街に訪れようとしたら、「寄ってみるか」ではなくわざわざ「行こう」と思わないと行かれない場所にある事です。
 私も今まで行く機会が無かったのですが、来週四連休が取れたので、かねてより興味が有りながらもきっかけが無かった銀川に訪れてみようと計画しています。

 銀川は寧夏回族自治区の区都であり立派な行政の中心なのですが、情報を集めてみると中国のド田舎都市で街の規模も非常に小さいようです。列車の発着本数もチベットの拉薩と海南島の海口という特殊な都市を除いては、省会・区都・直轄市の中で中国最少の14本。調べれば調べるほど情報が少ない事が判るだけで、これは久しぶりに出たとこ勝負か、と思っています。勿論旅のメインは西夏の遺構です。郊外に西夏の王陵があり、これがまた奇妙な墓なのでこちらを見ることと、回族自治区、つまりイスラム教を信奉する回族が(名目上)メインの地域なのでそちら系の建物が少なからずあるようで、久しぶりにイスラム世界に多少ではあるけれど浸ってみようかといったところです。

 北京(北京西駅)より銀川まではK177次という列車で、河北、山西、内蒙古を経る京包・包蘭線1,300km強の旅路となります。趙行徳を追いかけるのなら、開封を通る上海発銀川行がいいのかもしれませんが、銀川着の時間が悪いので、北京発を利用してみます。また、北京の滞在も飽きたので、初日は天津で宿泊します。天津では狗不理の饅頭を賞味するのも楽しみです。

 中国の行政区域は23省、5自治区、4直轄市、2特別行政区から成りますが、この内で訪れていないのは今回の寧夏と華南の福建だけとなりました。寧夏は今回訪問を果たすので残るは福建のみ。
果たして今回はどのような旅になるでしょうか。
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拉薩の事件に思う~北京の論理とは

 今回の拉薩(ラサ)の一件について色々と語られている。このような時に決まって盛り上がってくるのが中国大嫌い評論家や中国を「中共」とか「支那」とか言う人々の論壇だ。拉薩の件ではチベットと北京の関係を(鬼の首を取ったかのように)単に暴力的側面か稚拙な歴史的側面からのみ論じている。で、大体の愛読新聞が産経だ。呆れてモノが言えない。

 予め断っておくが、私は単なる中国大好き人間でも賛美する者でもない。寧ろ中国という国に旅行と言う形で、途中から訪れた回数を数える事を止める位に散々訪れ、断言してもいいが、中国嫌いの論陣を張る大多数の人間たちよりも彼の国に於いて苦労をし、嫌な目にも相当に遭っている。テープレコーダーのように日帝の話を散々聞かされ、意見も求められ、閉ざされた列車の中等で日本代表として論戦を貼ってきた。「お前らは礼の国の人間じゃあない」と言ってやった事もある。今ほど開放されていない90年代前半から無修正の中国を見せつけられているから、もしそのような中国嫌いがこの文章を読むんでいるのなら、あんたらとは年季も経験も違う事を肝に銘じて読んで欲しい。

 何処の国でもそうだが、中国という国-ここでは共産党と言い換えてもよいが(以降「北京」と記す)-の指導者は「自分達のやっている事が全て良いという信念」で以ってやっている。なまじっか一党独裁を布き反対勢力を許さない為に、その権力行使を遮るものが無い。野党が抹殺される以上その担い手は一般大衆になるのだが、天安門事件を語るまでもなく、人権活動家の逮捕軟禁が日常茶飯事の事実を見れば、一般大衆による政治要求が非現実的であるのは明白だ。
 よって他の国から奇異に見える政策も、特に北京の側から見ると中国国家を維持する為に「良かれ」と思ってやっているので、特に今回のような件が起こるとその主張は北京がつぶれない限りは永遠に人権を主張する国家団体等と交わる事は無い。
 幾度かの旅行を通じて見てみると、北京のやる事はよく日本で語られるように単なる権力維持の施策からくるものではなく、単純に「これが民衆とって為になる施策なのだ」という半ば「思い込み」に近い考えから実施されているのではないか、と思える事がある。言ってみれば「良かれと思って」やっているのに、何でお前ら不満を持つのか、それが理解出来ない、といったところだ。北京からすれば、チベットを封建社会から「解放」し、生活レベルを向上「してやった」。宗教という「迷信」には多少目をつぶるとしても、ダライラマ14世の言うことを聞いてみろ、また元の奴隷みたいな生活に戻りたいのか。漢民族同化政策だって、生活向上施策の一環だ(尤もこれについては、手っ取り早く反抗的なチベット族を消し去るという側面もある)。俺たちは感謝されてもいい筈なのに、何でお前ら反抗するんだ。大体歴史上に於いてチベットというのは中国の一部じゃないか、国が分裂行動を制止するのは当たり前じゃないか。まあこんな所だ。

 この「歴史上に於いて」というのがややこしい。
 そもそも中国の「歴史上」とはいつの事を指すのかと言えば、それは「清国」の事である。この清国の支配地域を以って中国の領土というのは維持されるべきというのが北京の論理だ。少し話がずれるが、そうするとモンゴルは中国の領土と言うことになる。実際中華民国(台湾)の地図では、モンゴルは中国の一部だ。が、モンゴルはソ連の支援によって独立国とされ、中ソ蜜月の時期に北京はモンゴルを独立国と認めてしまったから、北京の地図にはモンゴルが含まれない。対して清国が理藩院を通じて間接支配した藩部の一つであるチベットは、ソ連を初めとする他国の手出しもなく地理的には中国固有の領土となるので、正統国家である「中華人民共和国」が支配するのは極めて当然、という訳だ。
 これがチベット側から見ると違ってくる。そもそも清国に藩部とされていたものの、それは強権による支配によるもので、そもそもこの地域にはチベット独自の支配地域が存在していたし、藩部の時期もダライラマを中心とする支配体制は続いていた。清国の論理は勿論、民族の尊厳を踏みにじる北京による1950年代の武力侵攻は無効だ。お前ら散々に俺らを抑圧しやがって。仏の生まれ変わりである我々の指導者ダライラマを返せ。

 これでは論理が全くかみ合わない。

 北京としては自分達の行っていることは極めて当たり前の行為なので、反論される事自体が理解に苦しむのである。そもそもの独立国家チベット粉砕などという意識が無いのであるから。日本でもそうであるが、国家分裂罪というのは重罪であるのに加え、漢民族内にある少数民族への漠然とした差別意識が他国から弾圧と呼ばれる施策を引き起こす。漢民族の特徴として自分のテリトリーの同胞と認めた者に対してはそれが外国人(勿論日本人も含む)であっても最大限の面倒を見るが、同胞と認められない他人は漢民族であっても人間とは思わない傾向がある。
 見ず知らずのチベット人が対象であれば、事が生じた時に当然の如く人間扱いをしないのは想像に難くない。

 地理的支配体制的国家とそこに住む人々は別物である。

 感情や善悪で物事を捉えると本質を見失う。
 今回の事件を契機として罵華と華巣の華蓄集団がこれから拉薩に対し大弾圧を加える事になろうし、それ自体は国際的にも人間的にも非難されるべき事は明らかだ。しかし、チベット側のみから見るのではなくて北京の行動原理もしっかりと理解しておかなければ、単なる感情論で物事が終始してしまうことになるだろう。

 このような国際的に厳しい目の中で、今月末に北京、天津と寧夏回族自治区の区都である銀川を訪れる。もし今回の一件に関する情報が多少なりともあればこの場で報告する。

ポタラ宮前の漢族による「祖国万歳」の花壇
ポタラ宮前の漢族による「祖国万歳」の花壇(拉薩にて)

「タガタメ」

先日の起こった軍艦による漁船の撃沈事件については、「エライ人のコメント」から「その他大勢のブログ」に至るまであちこちで色々語られています。あえて事件と呼びたいこの一件、その経緯や国の是非をここでとやかく言うつもりはありません。
が、一つだけ言うことがあるとすれば、国を守るべき自衛隊が自国の人間を殺してどうするんだ、ということです。
今回の事件はこの一言に尽きるのではないでしょうか。

一体自衛隊が「自衛」しているものは何か。軍隊自体の気の緩みとか防衛省の体質だとかいうその政治的評論家的意見はさておき、素朴に「自衛隊とは国、つまり日本国民を守るものの筈が一体何の為に存在するのか」と思う訳です。国を守るということは、それなりに尊敬を受けて良いことなのでしょうし、大変な仕事なのだけれど、私を含めた日本人の中にどれだけ自衛隊に対して敬意を持っているかというと、クエスチョンマークが連発されます。日本に於いて軍隊が否定的な目で見られるのは、軍隊とは我々を守るものではなく、我々の命を拘束するという意識が日本人の奥底にありませんかね。大体「自衛隊はこの国にとって無くてはならない組織です」とか「軍隊が無い国は一流国ではない」という人達に限って、自衛隊から一番遠いところでのほほんと暮らしているように見えるのです。いざ戦争だ、という時に真っ先に安全なところに隠れそうではないですか(笑)。加えて考えて欲しいのですけれど、「軍」と聞いて最初に頭に浮かぶ事って何でしょうか。私についていうとそれは「特攻隊」です。特攻隊員は軍により「死ね」と強要された。いや、自分から進んで死にに行ったんだという美談は結構。そのように思わなければ爆弾を抱えられなかっただけだと思います。
私は反戦主義者として活動している訳でもなく、普通の小市民ですが、こんな意識ですから、「自衛隊に入る」と言い出した人間は「体力が有り余っているんだろうな」とか、「他に就職先が見つからなかったんだろうか」とか、「母親は反対しなかったのかしら」位にしか思わない。もう一度書きますが、自衛隊とは本来はそれなりに尊敬を受けてもいい組織だとは思ってますが、実際に入隊する人達を見るとその程度にしか思っていないんです。まあ同じ人間だし、目の前に弾が飛んできたら怖いだろうし、隊員もどれだけ本気で戦えるのかな?そんな時は逃げたくて仕方ないだろうと思う訳です。「いや違う」と思ったアナタ、戦争が始まったら先頭切って最前線に行きますか?
このような訳だから、いざ戦争が起こった時に真剣になって戦ってくれるとは思ってないし、普段から「日本を守る」という気持ちで活動しているなどと、ハナから期待もしていない。こんな風に思われる自衛隊員は可愛そうだ。

Mr.Childrenの桜井和寿は通り一遍の普通の作詞家ではないと思います。上記のような事を私は書いているけれども、では普段から平和について何かやっているか、と言われれば特に何もせずのほほんと暮らしています。多分多くの人が「戦争はやめよう」「平和は大事だ」位のことは思っているのでしょうけど、じゃあそれに対して何か具体的な行動をしているのかといえば何もやっていない。地球温暖化と言ったってそれは危険なことなんでしょうが、多分自分の住む世界だけは大丈夫だと思っている。まあそのようなところでしょう。結局戦争も地球温暖化もひとごとな訳で、多分大事なんだろうなとは思っていてもでも自分には関係無いやというのが、正直なところではないですかね。
 桜井の書く詩は見事にその無責任さを表現してくれます。だから聞いた時に心にストレートに響いてくるんです、私の場合。
普段臭いものにふたをする毎日で、なるべく平和とか環境とか意識しないように生活をしている=無責任を、ここ一番の歌で歌ってくる。好きだ惚れたもまあ大事なんでしょうが、このように世界の本質的な事を考える事のほうが人類につきつけられている重大な課題な訳で、たまにそれを知らしめてくれる稀有な歌手だと作詞家だと思います。

「僕らの音」を歌いながらもう片方で「タガタメ」を絶唱している。これが本当の歌手という存在だと思うのです。

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プロフィール

Mr.Problem

Author:Mr.Problem
東京移住。
職業:雲のジュウザ
根本思想:世界人民大団結万歳(笑)
多少、あちこちに行ってましたが、。結婚してからはめっきり諸外国へ出ることが少なくなりました。せめて一年に一度くらいは海外には出たい。元パッカーの習性で旅行は旗持ちではなくほぼ個人旅行。基本的には今世界で起こっていることについて思うところや、今まで行った街の印象を徒然に書いていきます。
みなさんが世の中について考える何かの助けになれば。

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