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「インターナショナル」

 先日大日本愛国党総裁の話を致しました。テーマがテーマだけあって、多少の反響もいただきました。ライトスタンドのレポだけでは不公平ですから、今回はレフトスタンドのレポをしたいと思います。マルクス主義の物語と「インターナショナル」についてです。

 「インターナショナル」。ある年代以上の方にとっては主張の左右を問わず、ご存知の方が多いのではないかと思います。日本語では「国際歌」と訳されます。かつて学生運動や労働運動でよく歌われた歌で、社会主義者や共産主義者のテーマソングです。思うに、これまでに造られた歌の中で、多分全世界で最も幅広く歌われた歌ではないでしょうか。元々はフランスで造られた歌で、社会主義の伝播と共に各国語の歌詞が作られて世界中に広まりました。ソ連は最初の国歌としてこのインターナショナルを採用しています。勿論日本語版もあります。「版」とは言うものの、厳密には翻訳という形ではなく意訳した内容で造られているようです。現在の日本では全くと言っていい程歌われる場面はありませんが、共産党が力を持っている国では集会などで今でも歌われることがあります。私も実際モスクワで赤旗団体の集会を見かけたのですが、そこで歌われていました。
 You Tube等で探すと、集会とそこで歌われている「インターナショナル」が一緒に流れてくる映像があります。

 私は社会主義者でも共産主義者でもありませんが、単純にこの「インターナショナル」は名曲だと思います。メロディが耳に入りやすく覚えやすく適度に力強いものであり、みんなで歌うには歌いやすいであろうと思われること。多少過激な内容でありますが、詩の意味が極一部を除いて判りやすく「やっちゃうよ~」的な内容であること。左翼のテーマソングでなければ、私は多分携帯電話の着メロに使っています。

 マルクス主義の不思議なところは、世界中で多くの人をまがりなりにも熱狂させてきたところです。一つの主張でこれだけ多くの人々を虜にしたのは、他にはキリスト教とイスラム教だけです。
 現在マルクス主義は敗北したとの認識が大勢です。現在の日本で毛嫌いされる理由の一つ(もしくは反マルクス主義のプロパガンダとして用いられてきた方法の一つ)は、「階級闘争に於ける武力革命の肯定」とその「専制主義」でありましょう。私はマルクス主義の専門家では無いことを断った上で書きたいのですが、多分この理由はマルクス主義が誤って伝播されたことに拠るものではないかと思います。私の知りうる限り、マルクス主義は階級闘争とプロレタリアによる権力獲得を目指しておりますが、その部分で明確に武力闘争の肯定は必ずしもしておりません(後註※)。権力奪取のために武力闘争を持ち出したのはレーニンであり、レーニン主義を体系化して専制体制を構築したのがスターリンと毛沢東です。つまり、日本で喧伝されている大部分は、後のレーニン主義やスターリン主義、毛沢東思想を指しているのであって、マルクス主義そのものを指摘したものとしては誤りではないかと思います。その筋の経緯については幾らでも詳しい本がありますので、私としてはマルクス主義が極めて広範囲に急激に広がったことの方を指摘したい。理由は宗教と同様、訴えの対象と行動の主役を、時の権力者ではなく一般民衆にもっていった事が大きいと思うのです。その広がりの過程で「インターナショナル」が結びつくことによって、この歌も広く全世界に散らばることとなったのです。

 マルクス主義が階級闘争を主眼とおくことには、理論が体系化された時代背景を理解する必要があります。欧州各国が君主制(立憲王政、絶対君主制)をとっており、大衆の多くが現在とは比べ物にならない位の劣悪な環境に生きる労働者、小作人等であったこと。日本の戦後で共産党が政権政党となれないのは、根本的にマルクス主義の構築された社会体制とは状況が異なるからであります。日本人は19世紀の欧州と比べれば裕福すぎるのです。戦前は似たような状況であったのですが、政治体制が強固すぎたのと外(主に満州)にその不満を吸収出来るようにもっていったので、革命は起きなかったと考えられます。その後レーニンが武力革命論という極めて判りやすい考えを主張したことによって、革命思想が強固に発展していきます。それまで押さえつけられるままであった一般大衆が、大衆を対象とするマルクス=レーニン主義を教え込まれることによってこの世の幸福を夢見、権力を抱く夢を見る。この夢が全世界の多くの人々にとって非常に魅力的に感じられたであろうことは、その歴史的背景を考えると至極妥当であると思います。

「インターナショナル」
起て飢えたる者よ 今ぞ日は近し 覚めよ我が同胞(はらから) 暁は来ぬ
暴虐の鎖断つ日 旗は血に燃えて 海をへだてつ我等腕(かいな)むすびゆく

いざ 戦わん いざ 奮いたて いざ
ああインターナショナル 我等がもの

いざ 戦わん いざ 奮いたて いざ
ああインターナショナル 我等がもの

聞け我等が雄叫び 天地轟きて 屍越ゆるわが旗 行手を守る
圧政の壁破りて 固きわが腕(かいな) 今ぞ高く掲げん わが勝利の旗

いざ 戦わん いざ 奮いたて いざ
ああインターナショナル 我等がもの

いざ 戦わん いざ 奮いたて いざ
ああインターナショナル 我等がもの

●註
「共産主義者は、これまでのすべての社会秩序の暴力的転覆によってのみ、自分の目的が達せられることを、公然と宣言する」(共産党宣言)
 この一文を以てマルクス主義の武力革命論を指摘する意見が圧倒的であることを理解はしています。この書が書かれた19世紀中葉は、フランスの七月王政と二月革命前後という時期であること、そもそもその当時の国家体制の変革が殆ど武力革命によってのみ行われていたという時代背景を理解する必要があります。歴史家でもあったマルクスがそれを理解していない筈はなく、歴史を詳細に分析したうえで極めて当然の事を書いたまで。20世紀の体制変革に暴力革命論を持ち出すのとは事情が異なるのは明らかです。20世紀にマルクスという人物が現れて同種の書物を書いたとすれば、別の内容になった事も考えられます。要はマルクスの歴史・社会分析と後年の社会主義国指導者とは、思想の基、背景が異なるということです。
 このような意味では、日本人の大好きな坂本竜馬や薩長の指導者達は、みな武力革命思想の持ち主ですが、そうは考えない人が多い。

 19世紀の常識的思想を20世紀の事情へ教条的に用いるのであれば、本文内の「武力革命の肯定を必ずしもしていない」という部分を訂正します。
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プロフィール

Mr.Problem

Author:Mr.Problem
東京移住。
職業:雲のジュウザ
根本思想:世界人民大団結万歳(笑)
多少、あちこちに行ってましたが、。結婚してからはめっきり諸外国へ出ることが少なくなりました。せめて一年に一度くらいは海外には出たい。元パッカーの習性で旅行は旗持ちではなくほぼ個人旅行。基本的には今世界で起こっていることについて思うところや、今まで行った街の印象を徒然に書いていきます。
みなさんが世の中について考える何かの助けになれば。

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