会津高原尾瀬口から先の野岩鉄道は、第三セクターだからこそ走らせられる、いや、第三セクターであっても走り続けるのにはとても苦労があるだろうという地域を走っていた。
会津田島からは浅草行が毎時一本程度の本数で出ていた。これは便利だ、と一瞬思った。乗車した列車は区間快速で、あろうことか埼玉県の東武動物公園まで各駅停車ときている。ここまだ福島県だというのに..。無理です。乗り通す気力がありません。しかし車両は二両編成の電車で、ディーゼルカーに揺られてきた自分には、別次元の列車。しかも冷房車だし...。何なんだろうか?この感動は。
ひたすら山の中を走る。あまりにも東京近辺にも顔を出す電車にとっては不似合い過ぎる景色だ。会津田島で乗車した人は10人程度で、休日の昼の列車としては寂しい。東京の方へ向かう観光客はおらんのか?会津高原尾瀬口。かつての会津滝の原で尾瀬の入り口となるが、わずかな集落以外は何も無い。いやあった。山が...。夏とかのシーズンには私鉄唯一の夜行列車がここまで来ている。浅草を0時直前に出てこの駅に3時過ぎに到着。乗継バスが4時過ぎに出発して沼山峠まで連れてってくれるという、尾瀬行の為の夜行列車だ。
ここからは野岩鉄道となる。元々は国鉄が造り始めたのだが財政難により途中放棄。で半官半民で路線建設を引き継ぎ、東武につなげた訳。しかし、今回通ってみて思ったが、どう考えても永久に黒字にはなりそうにない。人のいない地域を選んで走っているようにしか思えず、そういう意味では只見線よりキツイかも。会津と東京を直接結んでいるから存在意義があるのであって、他の地域では走らせる分だけ批判を浴びそうだ。
会津高原尾瀬口を出てすぐにトンネルに入ったが、このトンネルを抜けるといきなり栃木県だった。何とか温泉とか湯元とかいう名前の駅が続くが、ポツリポツリと乗車客はいるものの、降りる客はいない。山合いの温泉場への旅行客が南の方から乗ってくるみたいだけど、ここを抜けて会津まで行く客はあまりいないのかもしれない。
そんなこんなで新藤原着。ここから東武鉄道。何となく東京が近くなったような気がする。
電車にそのまま乗り続け、鬼怒川温泉着。ここで一旦降りることにする。何の為に?はい、ちょっと遅めの昼ゴハンです。
鬼怒川温泉は東京の奥座敷とか言うけれど、鬼怒川公園から鬼怒川温泉の車窓から見る景色には、廃ホテルもちらほら。駅を降りても、こないだ行った草津のようにはいかないようで何となく閑散としている。まあ、「加温加水の温泉」とネットに散々書かれてしまっては...これだけじゃないけど情報時代の辛いところだな。とは言うものの初めて立ち寄ったし、そのまま帰ってしまうのもつまらないので、駅前にあった足湯に足をつけてきた。
ここからは一気に特急で東京に向かう。ここから出るのは特急か短区間の普通列車か、さもなきゃ例の区間快速だが、プラス\1,500ほどで快適を得られるのなら、2時間の道中に於いては迷う選択ではない。下今市までは「東武の特急料金とはスピードに対する追加料金でなく、駅に停まらないことの為の特別料金か」と思ったが、日光からの客を下今市で乗せてからは、自分のよく知っている特急になった。
で、浅草までは行かず北千住で下車。浅草まで行ったら地下鉄で大回りをするか上野から山手線に乗ることになるんだから、北千住で乗り換えた方が楽だし。荒川を渡ると東京って気がするねぇ。実際は西新井辺りも足立区だけど。
北千住の次は隅田川を渡って南千住だが、南千住を過ぎるとすぐ左手に仏像が鎮座しているのが見える。さて、この仏像一体何でここにあるのでしょう?興味ある方はお調べください。今でこそ住宅街のど真ん中だけど....。おっとこの先は。こわ。
そんなこんなで充実の二日間終了!
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