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T238次~南北横断特急

 本来なら先日の旅行のメインである京九特快の話をするべきなのですけれど、今しばらくお待ちください。

天津から北京に向かう私の乗る列車は、天津駅を朝7:47分に発車する。丁度この時間は各方面に向かう列車の発車が集中するようで、天津臨時駅の侯車室(待合室)は旅行客でごった換えしている。程なく唐山行と秦皇島行の改札が始まった。こちらは近距離列車である為か、中国の改札に付き物の大混乱は無い。そもそもの乗客少ないようだ。定刻通りなら、東北の吉林から来る浙江省寧波行の快速(急行列車)が入ってくる筈なのだけれど、駅の表示は「晩点未定」となっている。「晩点未定」とは、「遅れていて何時到着か全くもって不明です」の意。このような表示が出た時は運が無いと諦めるしかない。今はそれでもかつてと比べこの「晩点未定」に出会う事は少なくなった。それでも途中駅から乗る時にこのような表示に出会わない為には、なるべく長距離列車を外すことだ。もっとも大抵の列車が最低でも1,000kmを超えて走るので、まあ運に任せるしかない事が多いんだけれど。

 哈爾濱発広州東行T238次特快は、定刻を30分ほど遅れて天津駅に入ってきた。この列車は昨夜の19時過ぎに哈爾濱を出発し、東北の大地を突っ走って華北の地に乗り込んできた。哈爾濱から広州までと言うのは簡単だけれど、是非地図でその距離を確認して欲しい。広い中国を南北に横断するとてつもなく長距離を走る列車である。その走行距離は3,647km。稚内から東京経由で鹿児島に行く距離を余裕で超えてくる。日本で中国の列車が紹介される時は、上海と烏魯木斉を結ぶ列車か最近ならチベットへ向かう列車である。勿論これらの列車も魅力的だが、だだっ広い東北地方=かつては日本人が満州と呼んだ地域から、渤海湾を望み、山海関の万里の長城を越えて華北、黄河を渡り、中原をひた走り、長江を横断して洞庭湖のほとりを疾走、これらの地域に赤壁、汨羅があると言えば分かりやすいか。多くの革命家を生んだ湖南から南嶺山脈を越えると華南だ。風景も南国に変わる。椰子やシュロの木が見えてくると、暖かい地域に来たと実感する。広東一の大都会広州に入り、香港への入り口広州東駅に到着するのは、哈爾濱を出た翌々日の朝8時前。もし冬場なら、20℃程の広州から零下20℃程の哈爾濱と、列車に乗りながらにしてその気温差40℃を体感出来る。その魅力と厳しさは、シルクロードと中原を結ぶ列車に劣らない。
 天津駅で見たT238次は、哈爾濱鉄路局の看板列車では無いけれど、北の果てと南国を結ぶとても精悍な列車に見えた。北京や上海の車両は何処か垢抜けているように見え、広州や柳州の車は南の空気を背負って朗らかに見える。成都や烏魯木斉、太原の車両は何となく田舎臭い。呼和浩特や蘭州の車両はゴビ灘から黄土高原にかけての荒涼としたイメージか。鄭州や西安、武漢、済南の車は歴史を背負って誇らしい。昆明の車は如何にも出てきましたといった感じ。南昌の車両は何処にでもいるようなごく普通の青年。瀋陽の車は東北といっても緑の大地を走るイメージがあってまだ明るいのだが、哈爾濱の車だけは他の何処とも違う。
 東北の冬は恐ろしく厳しい。その厳しい寒さと自然の為か、哈爾濱の車は常に厳しさを背負って走っている。勿論東北にも夏はある。が、夏は何処の車両も走れるけれど、冬の酷寒の地は哈爾濱の車しか走れない。
 哈爾濱を出て南国広州に向かう列車は、他の地域で見る車両と持つ雰囲気が違う。それは、厳しい大地を背負って長駆南へ向かうプライドを、この列車に見てとれるからである。


T238次 天津臨時駅にて
T238次 哈爾濱→広州東 天津臨時駅にて

朝から会話のレッスンですかそうですかPageTop天津奇譚~何故この街に引き寄せられる?wao!

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Mr.Problem

Author:Mr.Problem
東京移住。
職業:雲のジュウザ
根本思想:世界人民大団結万歳(笑)
多少、あちこちに行ってましたが、。結婚してからはめっきり諸外国へ出ることが少なくなりました。せめて一年に一度くらいは海外には出たい。元パッカーの習性で旅行は旗持ちではなくほぼ個人旅行。基本的には今世界で起こっていることについて思うところや、今まで行った街の印象を徒然に書いていきます。
みなさんが世の中について考える何かの助けになれば。

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