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天安門広場発 赤の広場行(その1)

 6日間も個室に押し込められ話相手もいなければ、どんなに寡黙な人間でも、言葉を発する権利を持ち又聞く耳を持った人間がいれば、声を発したくなるものである。
 北京より莫斯科までの道中において、まがりなりにも会話が出来たのは2日目のウランバートルまでであった。その話し相手も5歳のモンゴル人の女の子だ。
 子供はいい。言葉が通じようが通じまいが、表情や身振り手振りで相手の意思や感情を理解しようとすることが先に出るので、たとえ話し相手が言葉の通じない者であったとしても、彼女らにとっては大した問題ではないのだろう。自分もそうであるが、大人は意思疎通のためには言葉が通じなければ困難だ、と考えるものらしく、相手の言語が理解できなければ、途中で交わる事をやめてしまう。
 ウランバートルを出てからは、同車両にはロシア人夫婦とスイス人のバックパッカー、そして自分だけとなった。ロシア人もスイス人もいつもコンパートメントに籠もっており、スイス人に至っては夜でも部屋の灯りを消しているので、余程一人が好きなのだろうと、こちらも相手にしなかった。結局、モンゴル以降に自分と話相手になってくれたのは、中国人車掌だけだった。
 だから私は今声を出すことに飢えている。
 
 ロシアは冬に行け、という。寒い土地には寒い時期に行くほうがいい。シベリアの冬は美しい..etc。モスクワのホテルで驚いたのは、壁にかけてある絵も雪の降るクレムリンの絵であったこと。ロシア人は室内にまで冬を持ち込むのである。これだけ寒ければ、太陽の光や暖かい場所への憧れがあって当然だ。であらば、夏とは言わなくても新緑の季節くらいは室内に持ち込んでも良いではないか。それでも彼らにとって、国の季節は「冬」なのである。

 声を大にして言おう。
 今まで暖かい土地やビーチに好んで行っていた方は、間違っても冬のロシアに行くべきでない。気が滅入るか精神的に参って帰ってくるのは目に見えている。

 私はもともと暑い場所よりも寒い土地の方が好きなので氷点下の世界を見せつけられる位は何ともなかったのだが、それでもモスクワでは泣きたくなった。
 
 これからの内容は、北京ーモスクワ間を走る列車から初冬のシベリアを見た風景と心象。それでは、北京より道中見聞し考えていたことを、徒然に記していくことにしよう。

モンゴルの親友
↑モンゴルの親友

天安門広場発 赤の広場行(その2)PageTop出発のソネット

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Mr.Problem

Author:Mr.Problem
東京移住。
職業:雲のジュウザ
根本思想:世界人民大団結万歳(笑)
多少、あちこちに行ってましたが、。結婚してからはめっきり諸外国へ出ることが少なくなりました。せめて一年に一度くらいは海外には出たい。元パッカーの習性で旅行は旗持ちではなくほぼ個人旅行。基本的には今世界で起こっていることについて思うところや、今まで行った街の印象を徒然に書いていきます。
みなさんが世の中について考える何かの助けになれば。

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