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名曲喫茶に東京を見る

「全館(各階)ステレオ音響完備(帝都随一を誇る)」

 戦前のコピーではない。現代に営業する喫茶店のコピーだ。

 渋谷道玄坂から少し脇道にそれた所に、その店「名曲喫茶ライオン」はある。創業は1926年。つまりは昭和元年。

 今では殆ど聞かなくなったが、古い通俗小説を読むと「音楽喫茶」だとか「歌声喫茶」なるものが文中に出てくることがある。少し上の世代ならご存知の筈の喫茶店で、「音楽喫茶」とはひたすら店内に音楽が流れていて、そこに行く客は会話をしに行くというよりも、その流れる音楽を聞きに行くといったところ。「歌声喫茶」とはそこで一緒に歌を歌う=つまりは合唱をする喫茶店のことだ。昔は相当流行ったらしいが、勿論今となってはどちらも絶滅寸前で私も今まで足を踏み入れることはなかった。歌声喫茶は新宿界隈の何処かに今でもわずかに営業しているらしいのだが、さすがに印象的に入るのがためらわれる。いや、いたって健全な喫茶店なのだけれど、知らない人と歌詞を持って一緒に歌う事に何となく抵抗がある(こんな人間が多くなったから廃れていったのだろうけど)。大体喫茶店とは誰からも束縛されない時間が欲しいから行く訳で、音楽喫茶なら個人の時間に没頭できるだろうということで、渋谷にある老舗の音楽喫茶に足を踏み入れた。

とにかくこの店の詳細については、以下のホームページを見てほしい。
名曲喫茶「ライオン」HP

 創業1926年だが、建物は一旦1945年の東京大空襲で被災した。で、1950年に同じデザインで再建をしたとのこと。この2代目も既に築60年以上なので、外観も内装も店の持つ雰囲気もレトロの本流をいっている。で、店内は話し声など無い中でひたすらクラシック音楽が流れているのだ。席は全て巨大なスピーカーの方を向いており、音楽の世界に浸れるようになっている。音源は主にレコードのようで所々プツプツ音が出てるが、それがまたいい感じにタイムスリップさせてくれる。来ている人の年代は意外にも幅広いようで、20代と思われる人達も何人かいた。レトロなのは店の雰囲気だけではない。メニューにもレモネードとかオレンジエードとかあるから泣けてくる。「それって何?」という人も多いのではないか。

 洗練されたカフェやアメリカ的チェーンコーヒーが幅を利かす中で、このような世界がまだ残っているのだ。単に古い喫茶店なら自分が今まで住んできた京都や大阪や神戸にもあったが、このような空間は殆ど見た事がない。古いだけではなく時間も止まった喫茶店などまず見ることは無いが、東京にはまだそのような喫茶店があちこちに残っている。カフェではない。ここにあるのは、かつての「日本の喫茶店」だ。
 京都でイノダコーヒーや進々堂に行って感慨に浸れる方には、もっとディープで興味深い印象的な喫茶店の世界が東京にはある、と強くオススメすることが出来る。神田神保町だけでそのような店は4~5軒は出てくるし、新宿や上野、池袋あたりの騒がしい街中にもこのような店はある。

 桜についても以前書いたことだが、関東の人はわざわざ遠くに行く必要はない。私は関西から出てきたから言える資格はあると思うが、東京という街をじっくりと見直してみるべきだ。

 一緒に行った妻は楽しいのかどうか微妙だったが、これらの店にもう少し付き合ってもらうことにしよう。

●名曲喫茶ライオン
渋66系統(阿佐ヶ谷駅~渋谷駅)にて「東急百貨店本店前」下車、池86系統(池袋駅~渋谷駅)、早81系統(早大正門~渋谷駅)にて「渋谷駅西口」下車

プロフィール

Mr.Problem

Author:Mr.Problem
東京移住。
職業:雲のジュウザ
根本思想:世界人民大団結万歳(笑)
多少、あちこちに行ってましたが、。結婚してからはめっきり諸外国へ出ることが少なくなりました。せめて一年に一度くらいは海外には出たい。元パッカーの習性で旅行は旗持ちではなくほぼ個人旅行。基本的には今世界で起こっていることについて思うところや、今まで行った街の印象を徒然に書いていきます。
みなさんが世の中について考える何かの助けになれば。

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