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ラワルピンディーのチャイ

 簡単に言ってしまえば、牛乳で沸かした紅茶。それがインド、パキスタンのチャイである。日本でもちょっとおしゃれなカフェにでも行けば置いているところはあるので、飲まれた方も多いであろう。

 そのチャイ売りは毎日同じ道端の一角でチャイをたてていた。恐ろしく老人に見えるが、ひょっとしたら見かけほど老けていないのかもしれない。彼の商売道具は使い古したコンロと鍋。ロクに洗っていないカップ。それとミルクとリプトン紅茶である。注文を受けるとミルクを鍋に注ぎ、紅茶を小さじで2杯。それと砂糖を入れて火をつける。沸騰する寸前で火を止めてカップに注ぐ。その間、客は彼の「チャイスタンド」の前に置かれた椅子代わりの木の箱に座って待つ。昼間は太陽が容赦なく照りつける街も、夜になると一気に冷える。大地が乾燥しているので、気温の下がり方も速い。夜になってから飲むチャイは乾いた喉と熱気の冷めた体を丁度良く温めてくれる。
 値段は一杯1Rs(ルピー)。約3円である。注文を受けてからたてるお茶の値段がこれだ。メニューはこれしかない。だから客は注文する必要が無い。言葉を発する必要も無い。席(木箱)に座ることが注文代わりだ。彼は、その皺の刻まれた顔と手で、一体何杯のチャイをたててきたのだろう。家とその道端を往復する毎日。一日100~150円の収入を得る為に、無言で、ひたすらに、チャイをたてる。

 一方では核爆弾を作る高度な技術を持つこの国で、1杯3円のチャイをたてる事に誇りを持つ高貴な老人。このアンバランスさに違和感を抱きながらも、ピンディーの街に滞在中、この老人のチャイを飲み続けたのである。

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Mr.Problem

Author:Mr.Problem
東京移住。
職業:雲のジュウザ
根本思想:世界人民大団結万歳(笑)
多少、あちこちに行ってましたが、。結婚してからはめっきり諸外国へ出ることが少なくなりました。せめて一年に一度くらいは海外には出たい。元パッカーの習性で旅行は旗持ちではなくほぼ個人旅行。基本的には今世界で起こっていることについて思うところや、今まで行った街の印象を徒然に書いていきます。
みなさんが世の中について考える何かの助けになれば。

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