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JR西日本のメールマガジンに思う

 その当時、川西市だか伊丹市だかに住んでいる会社の同僚A君が話したところでは、始業時刻に間に合う最終電車が「あの電車」であったとのことである。いつもギリギリに出社する彼であるが、その日に限って早く来ていたのは偶然としか言いようが無い。
 JR神戸線を利用する者にとって尼崎駅は重要なジャンクションである。神戸線、宝塚線、東西線が交わり、その複雑な電車運用から、どこかで遅れが出ると、大抵尼崎で列車渋滞を引き起こす。つまり、これら路線を担当する運転士にとっては、自分の線だけではなく、北は福知山、西は播州赤穂、南は奈良、東は長浜(当時。今は敦賀)まで広範囲に影響を及ぼすので、この尼崎を定刻通りに通過できるかどうかはとても重要なのである。
 神奈川出身の私にとってはJR西日本の看板列車「新快速」とは夢のような列車であった。まず何よりも速い。在来線で130km/hを出す列車が15分ごとにやってくるなど、関東の常識では考えられなかった。停車駅を極力絞り、平行私鉄に対する運賃のハンデを絶対的なスピードで克服する方法はある意味正しく、大阪駅で乗車して三ノ宮駅で降りる客がそこそこいるのも、運賃差80円はスピードで乗り越えられる証拠だ。新快速だけではない。各駅停車でさえ最高110km/hで走るので「JRはとにかく速い」の印象を受ける。確かに事故の前から「いつか事故を起こすのではないか」という不安があったが、その便利さの前では不安などかき消されてしまう。田舎に帰って東海道線に乗ると、JR東日本はスピードに対して企業努力をしないのか、とさえ思えてくる。
 JR西日本とJR東日本、JR東海の最大の功績は、国鉄民営化後に消費税以外での運賃値上げを行っていないということだ。鉄道とは本当は余程儲かる商売なのかとも思うが、実際は身を削ぎ落とした経営合理化の成果であろう。この部分では利用者に対して十二分の還元をしている。20年近くも価格が変わっていないものなど他にあるだろうか?この料金据え置きとスピードUPがもたらした負の部分が、人の絶対的不足と保線の弱体化である。尼崎の事故も突き詰めていくと発生原因の一つの理由はこの部分に行き着く。昔は都市部の駅では駅員が必ずホームに立っていたが、阪神(大阪~神戸)で駅員が終日ホームにいるのは三ノ宮駅くらいだ。
 今日送られてきたJR西日本からのメールマガジンは、尼崎の事故に対するお詫びから始まっている。今でもJR西日本のホームページは事故へのお詫び文である。起こした企業の責任は問われなくてはいけないし、一見無責任な社内体質は厳しく糾弾されるべきだ。が、その事故の遠因の一つは、平行私鉄との厳しい競合を勝ち抜かなくてはいけないというJR西日本の置かれた特殊な環境であり、「利用者の利益としてJRが求めた絶対的なスピードと据え置きの運賃」の一面が悪い方に出てしまったと言えなくもないのではないか。

永遠のヒーロー「ROCKY」PageTopこのニュースの意味がわかりませんな

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Mr.Problem

Author:Mr.Problem
東京移住。
職業:雲のジュウザ
根本思想:世界人民大団結万歳(笑)
多少、あちこちに行ってましたが、。結婚してからはめっきり諸外国へ出ることが少なくなりました。せめて一年に一度くらいは海外には出たい。元パッカーの習性で旅行は旗持ちではなくほぼ個人旅行。基本的には今世界で起こっていることについて思うところや、今まで行った街の印象を徒然に書いていきます。
みなさんが世の中について考える何かの助けになれば。

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